カナダの高校留学とは

カナダには高校が約5,500校あります。そのうちのほとんどが公立高校です。 従ってカナダ人の95%が公立高校に通っています。

カナダでは、学年のことをグレード(Grade)と呼びます。 日本では、小学校、中学校、高校と3つに区分していますが、カナダではグレード1〜12という形で小・中・校を一貫して数えます。 日本の小学1年制がカナダのグレード1に、高校1年生はのグレード10に相当しています。 区切りは州によって異なり、ブリティッシュ・コロンビア州は7-5制、ケベック州は6-5制、アルバータ州は6-3-3制など分かれています。

カナダの私立高校の多くが宗教系の学校になります。 その他の私立高校のタイプは、インディペンデント・スクール、ESLスクールになっています。

私立の高校は、公立高校とは違い、教育方法やスタイルを独自に行うことができます。 そのため、男子校、女子校、寮制の学校などの種類があります。

カナダの高校は、9月前後から新学期が始まり、翌年の6月前後に終わります。 2学期制の高校であれば、1学期が9月から1月まで、2学期が、2月から6月までになります。

カナダの高校留学の費用

カナダの高校留学の学費は、年間80〜250万円です。 公立と私立、また為替の変動によっても費用は変わってきます。

学費の他にはホームステイ費用(1ヶ月で5〜8万)、保険代金、航空券代金、 留学生活でのお小遣いが高校留学の費用として必要になります。

私立の高校に留学する場合は、制服代や空港への出迎え費用などが必要なることもあります。

カナダの高校の入学

カナダの高校留学には、大きく分けると1年間の体験留学と、卒業を目指す進学留学になります。 カナダの高校への体験留学では、カナダでの高校生活を通して英語力を身につけることが目的です。 カナダの高校への進学留学では、留学先の高校の卒業を目的とした留学です。

高校留学の呼ばれ方に「正規留学」「私費留学」などありますが、これらは進学留学のことを指します。 体験留学、進学留学ともに、カナダの全ての高校が受け入れている訳ではありません。

入学の手続きには、入学願書、申請料金、最終学歴から過去2〜3年分の成績証明書、英語力のスコア証明書、 現在の通学している学校の校長、担任の先生または英語科目を担当していた先生からの推薦状、エッセーが必要となります。

推薦状は、どの先生からもらうか、エッセーの有無など、具体的な申請方法は各高校によって異なるため、 志望している高校に詳細を確認するようにしましょう。

アルバータ、マニトバ、オンタリオ、ケベック、サスカチュワン、プリンス・エドワード・アイランドでは18歳未満の生徒が、 ブリティッシュ・コロンビア、ニュー・ブランズウィック、ノバ・スコシア、ユーコン準州、ノースウエスト準州、ヌナブト準州では 19歳未満も生徒が、留学する場合にカストディアン(後見人)が必要になります。

カストディアンは、留学先の高校の校長や担任教師、ホストファミリーなどがなってくれる場合が多いです。 留学プログラムを提供している団体・留学エージェントがあれば、カストディアンの手配についても一緒に確認しておきましょう。 私立の高校や、一部の州の教育委員会では、民間企業にカストディアンの手配を依頼しないといけない場合もあります。

カナダの高校留学の準備

1年間の体験留学であれば、プログラムを募集している高校、団体などの募集要項に合わせて計画的に準備を する必要があります。募集の締め切り、応募条件は早めに確認しておきましょう。

また現在在籍している高校が募集している留学プログラム以外に参加する場合は、 留学終了後に単位として認めてもらえるか、進級または留年の扱いになるかも事前に確認しておく必要があります。

カナダの公立高校への進学留学(正規留学)を希望する場合は、志望する高校、またはその高校がある学区の教育委員会に 申請をする必要があります。

各高校の留学生のバランス、受入状況など踏まえて、教育委員会が留学先の高校を指名する形になっています。 あくまでも留学先の高校は、決定は教育委員会がすることになりますが、 もし希望する高校がある場合は、志望校とその理由、また志望高校にとって自分を受け入れるべき理由などを、 申請する際に一緒に提出した方が良いでしょう。

カナダの高校の特徴

日本の高校は、学年の初めにクラスを割り振られて、一部の選択授業を除いてクラス全員が同じスケジュールに 沿って授業を受けていますが、カナダの高校では学年の初めに生徒が自分でカリキュラムを組みます。

またカナダの高校では、教科書は購入せずに高校から貸りるスタイルになっています。 そのため日本の高校では各授業の担当先生が自分たちの教室に授業に来ますが、カナダの高校では生徒が選んだ科目の クラスに移動をして授業を受けます。

カナダの高校は1年次は必修科目が中心ですが、2年次以上は選択科目が中心になります。 選択科目は、大学進学コースか、職業コースかに分かれます。

カナダの多くの高校は、留学生や移民のカナダ人を対象にしたESL(英語)コースが用意されています。 正規の学科コースと同時進行でESLコースを受講することができます。

入学の際に英語力のチェックは必ず行われ、ESLコースの受講の必要性を判定されます。 高校によっては、ESLコースと同時進行で正規学科も受講も許可してますが、いずれにしろ英語力がないと 単位の取得は厳しいでしょう。

日本の中学までの英語教育では、カナダ人と同じようにカナダの高校の授業を受けることは非常に困難です。 進学留学(正規留学)であっても、1年間はESLコース中心になる、または単位が満足に取れないで進級でない 可能性がある、という覚悟で留学をした方が良いでしょう。

カナダの高校の進学留学の注意点

カナダの高校に進学留学(正規留学)をするためには、日本の高校をどうするか考えないといけません。 現在、日本の高校に在籍している場合は、その高校を退学するか、休学するかの選択が必要になります。

カナダの高校に進学留学において注意点として考えて頂きたいのが、もし高校留学を途中で辞めてしまった場合のリスクについてです。 カナダの高校を卒業することなく帰国してしまうと最終学歴が中学卒業になってしまいます。

そのリスクヘッジとして、日本の高校はあえて休学扱いにしておき、カナダの高校留学が順調であれば、その後日本の高校は退学手続きする という方法もあります。 また通信制の日本の高校に編入しておき、カナダの高校に在籍しながら日本の高校卒業の資格取得も同時に目指す方法もあります。