franceの大学留学とは

フランスの高等教育には、大学(Universites)、グランゼコール(Grandes Ecoles)があります。 グランゼコールはフランス独自で、正確に日本に該当するの教育機関がありません。 専門学校として紹介されている場合がありますが、グランゼコールは大学よりもレベルが高い教育機関としてフランスで認識されています。

フランスには約80校の大学、200校を超えるグランゼコールがあります。 大学、グランゼコール共に公立公立(国立)が中心ですが、私立校もあります。

フランスの大学は2学期制で、9、10月から1月までが1学期、翌1、2月から6、7月までが2学期となります。 フランスの大学で授与される学位・資格はLMDと呼ばれるヨーロッパ共通のシステムに沿って構成されています。 大学で取得する単位はECTS(欧州単位互換制度)が採用されています。

一般的に3年間で180ECTSを取得して学士号(Licence)が授与され、 その後2年間で120ECTSを取得すると修士号(Master)を授与されます。 博士課程を修了した場合は、Doctoratと呼ばれる博士号が授与されます。

フランスでは高校の時に、高校の教育課程の修了証明と大学入学の資格を得るために、バカロレア資格(Baccalauréat) と呼ばれる統一国家試験を受けます。

バカロレア資格があれば、フランスのどの大学にも基本的には入学できるため、フランスの大学には日本のような偏差値 といった基準はありません。 どの大学に入学できたからすごい、という価値観はなく、大学でどのようなことを学んだか、が重要になります。

学位に関しても、「bac+3」と言った表現が使われますが、これはバカロレアに加えて大学で3年間分の学位を取得している という意味になります。

フランスの大学留学の費用

フランスの公立(国立)大学であれば、学費は基本的に無料です。 登録料という形で年間で2〜8万円程度かかる場合もありますが、いずれにしろフランスの大学の学費は日本の大学に比べて非常に安いです。 この学費に関しては留学生にとって同様であるため、学費だけを比較すれば日本の大学に進学するよりずっと安く高等教育を学ぶことができます。

フランスの私立の大学では、40〜150万円ほどの学費が年間でかかるとされています。 具体的な学費は、各大学及び専攻によって異なります。外国人にとっては為替の影響でも費用の計算が大きく変わるため注意しましょう。

フランスの大学に留学するためには、これらの学費に加えて、滞在費、生活費、航空券代金、保険代金などが必要になります。

フランスのグランゼコール

フランスの高等教育では、グランゼコールと呼ばれる機関があります。 日本には馴染みがなく、また同等に該当する教育機関がないため大学やその他の教育機関として紹介されている ことがありますが、フランスで大学よりも上の最高学府として認識されています。

グランゼコールには、工学系・経営学系グランゼコール、師範学校(Ecole Normale Superieure)、 国立獣医学校(Ecole Nationale Veterinaire)が含まれます。

グランゼコールでは少人数制の教育が行われ、入学できるのは非常に狭き門です。 フランスのグランゼコールは、非常に優秀な人間が通う教育機関とされています。 グランゼコールを卒業した者は、その後の仕事においてキャリア組みとなり、通常の人たちはとは全く違う 出世街道を進みます。

フランスの大学の入学

フランスの大学に入学するためには、フランス語能力はもちろん、フランスでのバカロレア資格および同等の資格を証明する必要があります。 バカロレア資格には大学の入学資格が含まれるため、日本の高校を卒業するだけではフランスの大学に入学できません。

日本の高校を卒業しフランスの大学に入学する場合であっても、日本の4年制大学の入試合格を証明するものが必要があります。 日本の大学に在籍している場合は、バカロレア資格に関しては既に条件をクリアしていることになります。

フランス語能力を証明できる場合は、大学での語学力テストを免除できます。 具体的には、DALFのB2、DALFまたはTEF20点満点中14点以上のスコア証明が必要になります。

日本からフランスの大学への入学手続きにはCampus France(フランス政府留学局・日本支局)上で手続きをする必要があります。 フランスの大学は、バカロレア資格がある者は誰でも入学ができるため、定員を越える応募があった際は、第一希望の大学に 入学ができない可能性があります。

フランスの大学の特徴

フランスの大学及び高等教育システムは日本のシステムとは異なるため、フランスの大学に留学するためには、 まずフランスの高等教育システムについて理解する必要があるかもしれません。

一つはフランスの大学はバカロレア資格があれば誰でも入学できます。 更にバカロレア資格を取得しているフランス人は大勢います。 そのような背景からも、日本の大学の偏差値という基準はなく、どの大学に通っているから頭が良い、という評価はありません。 また大学の入学は簡単でも、卒業するのは非常に大変だとされています。

歴史がある大学としてフランス国内でも有名な大学はありますが、グランゼコールと呼ばれる教育機関を除いて、 どの大学を卒業したら就職に有利というものはありません。

フランスの大学で専攻したい学問、生活したい都市、卒業後のプランに合わせて最適な大学を選ぶようにしましょう。