アメリカの大学院留学とは

アメリカは大学院の数も多く、大学院留学を考えた際にアメリカの大学院も候補となる人も多いのではないでしょうか? ひとくちに大学院留学と言っても、大学院で何を学びたいのかによって、どの大学院に留学するべきかも全く変わってきます。 MBA、教育学、エンジニアリングなど、同じ大学院留学でも、その内容は全く違います。

アメリカの修士課程のプログラムは、主に学術系と専門職系の2つに分かれます。

学術系プログラムはAcademic Masterとも呼ばれています。 修了すれば、文学修士号もしくは理学修士号の学位を取得することができます。

一方、専門職系プログラムは、特定分野の職業への就業を目的としたものです。 日本人に知名度が高いMBA留学も専門職系に該当します。 その他にも、ソーシャルワーク修士号、教育学修士号、美術学修士号などがあります。

大学院留学には、博士課程のプログラムもあります。 博士課程は、博士号の学位を取得することができます。

学問分野での博士号であればPh.D.(Doctor of Philosophy)の学位が一般的です。 専門職分野で、は経営学博士号や教育学博士号などがあります。 学部課程を修了した後に、修士課程を経ずにそのまま博士課程に進学できるプログラムもあります。

アメリカの大学院留学の費用

アメリカの大学院には、州立と私立の大学院があります。 州立の方が一般的には費用が安いですが、 トップレベルの大学院であれば、州立の大学院であっても、留学生に対する学費は私立の大学院と同等の場合もあります。

州立の安い大学院であれば年間の費用が200万円を下回る場合あります。 私立の有名な大学院では、年間の費用が600万円を越える場合もあります。私立の大学院であれば、最低でも年間の費用が 300万円はかかると考えていた方が良いでしょう。

これらの年間の費用の目安は、学費だけではなく、滞在費や食費も含めての概算です。 もちろん、外食や旅行、週末の遊びが多ければ多いほど費用は高くなります。

日本の奨学金団体や、各大学院に外国人留学生でも対象になる奨学金制度が用意されている場合もありますので、 費用面が課題であれば、一度志望する大学院に奨学金に関する情報を探してみても良いでしょう。

アメリカの大学院の特徴

アメリカ人にとって、大学院の進学は日本に比べるとずっと身近なイメージです。 日本では、一部の人たちが大学院に進学するイメージが強いですが、アメリカではもっと身近で大学の延長のような存在です。 大学のレベルに関係なく良い成績を取得していれば、アメリカではレベルの高い大学院に進学できるチャンスがあります。

アメリカの大学院は2年間というイメージがあるかもしれませんが、正確には約18ヶ月で卒業が可能です。 夏休みの期間は、インターンシップを行ったり、大学が提供しているサマースクールに参加することもできます。

セメスター制のアメリカは大学院であれば、入学時期は通常9月と1月になります。 大学院のコースによっては1月の入学を受け付けていない場合もあります。 9月の正規コースの入学前の夏休みに、大学院がサマースクールとして準備コースを設置している場合もあります。

アメリカの大学院の入学

アメリカの大学院の入学には、申込書の他に、日本の大学の卒業証明書、推薦状、エッセイ、履歴書、英語力の証明、GRE・GMAT、 財政能力証明書、出願料が必要になります。

願書には締め切りがあるため注意しましょう。 一般的には、1月〜3月の時期に締め切りを設定している大学院が多いです。 しかし早い締め切りだと12月の年内まで、遅い締め切りだと夏前の6月頃に設定している大学院もあります。 志望する大学院が定まってきたら、願書の締め切り日時を確認して、計画的に準備をするようにしましょう。

願書が受理されたら、通常は大学院から連絡がきます。 数週間経っても何も連絡がない場合は、正しく受理されていない可能性があります。 何も通知がない場合は、こちらから連絡をして、きちんと大学院に受理されているか確認しましょう。

アメリカの大学院の授業

アメリカの大学院の授業は、日本のように講義に出席し、教授の授業を聞き、テストで良い点を取れたら単位を取得できるものではありません。 課題に出された資料を読み込み、自分の意見を整理した上で授業に望み、授業中は積極的に他の学生とディスカッションを行います。 教授は司会進行役であり、あくまでも授業の主役は学生になります。

そのため授業中にただ黙っているだけでは、授業に参加しているとみなされません。 積極的に参加する姿勢が、成績にも良い影響を与えるのがアメリカの大学院の授業です。

Reading Assignmentと言われる宿題が非常に多いのがアメリカの大学院の特徴です。 毎週、一つの講義に対して、何十ページも資料を読むことを宿題とされます。 それを複数の講義で毎週、宿題と出されるので、アメリカの大学院の生活はほとんど勉強漬けの日々になります。 特に留学生は、英語でのリーディングがネイティブよりも時間がかかるものです。

それだけ一つの講義にReading Assignmentがあるため、平均的な学生が履修するコマ数は、3〜4コマ程度です。 3コマ以上の授業を取るには申請をして許可をもらわないといけない大学院もあるほどです。

アメリカの大学院の卒業

英語にハンディキャップがある留学生にとって、アメリカの大学院生活は決して簡単なものでありません。 プレゼンテーションやエッセイなど、小学生からトレーニングを受けているアメリカ人に力の差を感じることをあるでしょう。

しかし、多くの日本人留学生がアメリカの大学院を卒業できています。 私たちは、留学生としてアメリカの大学院に入学を許可されています。 アメリカの大学院からすると、留学生がクラスに入ることによって、アメリカ人学生だけでは作ることができない多様性ある授業を期待しています。 アメリカ人の大学院生のように振る舞うことを求められている訳では決してありません。

自分の強みを活かし、アメリカ人の大学院生では思いつかない発想や表現で、留学生が参加している価値を大学院に 主張することも、一つのアメリカの大学院留学の戦い方になるのではないでしょうか。