アメリカの短大・コミカレ留学とは

一般的に、公立の2年制大学をコミュニティ・カレッジと呼ばれています。私立の場合は「ジュニア・カレッジ」と呼ばれています。

アメリカには多くのコミュニティ・カレッジがあります。日本で言うと専門学校や短期大学の存在が近いイメージですが、取得できる学位から同義語ではないとされています。ユニバーシティ・カレッジが短期大学と同義とされている言葉になります。

コミュニティ・カレッジは、予備校のようなビルのワンフロアのみという小規模から、4年制大学と変わらないほど規模を持つ大規模のキャンパスを持つものと、その規模は様々です。

多くのコミュニティ・カレッジでは、4年制大学への編入が可能になっています。そのため、留学生に限らずアメリカ人も4年制大学への編入を目的に2年制大学に入学する学生もいます。州立のワシントン大学や、カリフォルニア系列の大学の学生の多くは、提携している周辺のコミュニティ・カレッジからの編入であります。

アメリカのコミュニティ・カレッジ留学の費用

コミュニティ・カレッジの1年間の学費は、4年制大学の学費と比較した際に安いとされています。そのため、最終的に4年制大学の卒業が目的であっても、最初はコミュニティ・カレッジに入学をしてから編入する学生もいます。このように編入プログラムを利用した方が、最初から4年制大学に留学するよりも、合計の費用が安くなるからです。

コミュニティ・カレッジにかかる費用の相場は、年間で150〜200万程度になります。費用には学費だけでなく、生活費、交通費、お小遣いも含まれた目安です。もちろん、各コミュニティ・カレッジによって学費も違えば、地域によって物価も変わってきます。またお小遣いも、必要な金額が人によって変わるため、上記の金額はあくまでも目安となります。

アメリカのコミュニティ・カレッジの学位

コミュニティ・カレッジでは準学士号の学位が取得できます。プログラムの数は多く、職業訓練プログラムから、4年制大学への編入のための進学プログラムもあります。また多くのコミュニティ・カレッジが英語を母語としない学生及び留学生のために、ESLのクラスを用意しています。 ESLとは英語の勉強のためのクラスです。

4年制大学への編入を目的として進学プログラムでは、一般教養を中心に単位を取得することになります。文系準学士号、または理系準学士号の学位を取得します。ここで取得した単位の多くが、協定先の4年制大学に学士号取得に必要な単位として認められる仕組みになっています。協定先の大学や、実際にどの単位が認められるかは、各コミュニティ・カレッジまたは編入先の大学によって変わります。

職業訓練プログラムでは、学生がコミュニティ・カレッジを卒業後に専門分野の仕事に就けるようにするためのプログラムになっています。応用科学系準学士号の学位を取得できます。

アメリカのコミュニティ・カレッジの入学

一般的に4年制大学に入学するよりも、入学の難易度は低いとされています。 TOEFLなど、提出を要求される英語力のスコアも、4年制大学よりも低いことが通常です。またELSという英語の学ぶコースが用意されていることが多く、ELSのコースを同時に受講するという条件付きで入学の許可を出すコミュニティ・カレッジもあります。

アメリカの4年制大学への編入を目的としている場合は、最終的に志望する大学と提携を持っているコミュニティ・カレッジを選ぶ必要があります。コミュニティ・カレッジの多くが編入プログラムを持っていますが、一部の有名大学にはコミュニティ・カレッジからの編入を許可していない場合もあります。

アメリカのコミュニティ・カレッジの提携以外の4年制大学には編入ができない場合、またはコミュニティ・カレッジで取得した単位が移行できない場合もあるため、事前に入学を検討しているコミュニティ・カレッジについて調べておく必要があります。またコミュニティ・カレッジと大学の提携内容によっては、編入後の専攻に制約がある場合もあります。こちらも合わせて、留学前に志望するアメリカの大学、及びコミュニティ・カレッジについて確認しておいた方がよいでしょう。

またアメリカの大学に留学するためには、英語力の証明やエッセイ、推薦状の他に、過去の成績や学外の活動も重要になります。過去の成績を良いものに変えることはできないですが、アメリカの留学は、最終学歴から遡って最新の成績を提出するため、コミュニティ・カレッジから良い成績を取得した上で、志望している大学に編入する方法があります。

アメリカのコミュニティ・カレッジの特徴

アメリカの学生ビザ（F-1ビザ）はアルバイトが禁止されていると聞いたことがあるかもしれません。しかし厳密には留学生はキャンパス内であれば、学期中なら週20時間まで、休暇中ならフルタイムでアルバイトが認められています。具体的にキャンパス内で求人があるアルバイトとして、準講師、研究助手、学校事務サポート、寮の管理助手などがあります。

コミュニティ・カレッジを卒業し、学位を取得すれば、OPT制度の利用が可能になる場合もあります。 OPT制度とは、卒業後もアメリカで最長12カ月間インターンとして働くことが制度です。ワーキングホリデー制度がないアメリカで、12ヶ月の就業経験ができるのは非常に大きいメリットです。

一概にコミュニティ・カレッジと言っても、各コミュニティカレッジによって本当に様々です。また進学が目的なのか、職業訓練が目的なのかによって取得するべき単位が変わってきます。

自身の留学の目的にあった適切なコミュニティ・カレッジをまずは見つけましょう。