ドイツの大学留学とは

ドイツには約350校の大学があり、そのほとんどが公立(国立)大学です。

ドイツの大学は総合大学、専門大学2種類に大きく分かれていています。 どちらの取得できる学位がほとんど変わらないのですが、 総合大学は「学問」を重視されているのに対して、専門大学はより実践面が重視されています。 また専門大学では医学や法学の卒業資格を取得することができません。

ドイツの大学は法律で学費の徴収を禁止していたのですが2006年にその禁止が撤廃され、 現在は学費の徴収は各州によって決定できるようになっています。 その後、一時的に授業料を徴収する大学が増えたものの、授業料導入をめぐって様々な論争があり、現在は学費が無料の大学が大学が多くなっています。 ドイツの大学は外国人である留学生に対しても学費が無料、または500ユーロ程度の非常に安い費用であるため、留学費用を抑えることができます。

ドイツの大学では、Diplom(ディプローム)、Magister(マギスター)と呼ばれる伝統的な学位が扱われていたのですが、 「ボローニャ・プロセス」によって国際的に通用するBachelor(学士号)、Master(修士号)の学位が取得できる課程を設置しました。

ドイツの大学留学の費用

ドイツの大学留学にかかる費用は、アメリカやイギリスに比べて抑えることができます。 ほとんどのドイツの大学の学費が留学生に対しても無料です。一部の州では学費がかかりますが、それでも1学期につき500ユーロ程度です。

しかし学費が無料、または安価であるのはあくまでもドイツの税金で運営されているからであります。 ドイツの財政状況が厳しくなれば留学生に対しての学費が諸外国と同等の費用になる可能性は十分にあります。 その他、ドイツの大学留学には、生活費や滞在費、航空券代金、保険代金が必要になります。

ドイツでは労働日数に制限はありますが、学生ビザでもアルバイトが許可されているため、更に留学費用を抑えることも可能です。

ドイツの大学の魅力

ドイツの大学の魅力は伝統がある大学が多く、また学費が無料または非常に安いことでしょう。 また音楽留学や芸術留学としても、ドイツの大学留学は非常に人気です。

ドイツはヨーロッパの中央にある地理的条件から、大学の長期休みを利用してヨーロッパ各地に旅行に出ることもできます。 労働日数に制限はありますが、学生ビザでもアルバイトが許可されているので、留学費用の節約になるのはもちろん、 アルバイトを通して色々な経験もできます。

ドイツの大学の入学

ドイツの大学入学は、日本のような受験システムはありません。 ドイツ人は、日本の中学・高校に該当するGymnasiumI(ギムナジウム)の最終学年で、Abitur(アビトゥーア)と呼ばれる 卒業試験に合格すれば、大学の入学資格を得られます。 医学部など一部の専攻には入学の制限がありますが、学生は大学を自由に選ぶことができます。

日本人がドイツの大学に入学する場合は、いくつかの条件をクリアする必要があります。 日本の大学を卒業する、日本の大学で1年以上履修をして一定以上の単位を取得している、短大を卒業しているなどです。 日本の高校卒業から直接ドイツの大学に入学する場合は、センター試験を受験して一定以上の成績を納める必要があります。

その他に、もちろんドイツ語力のスコア証明も必要になります。 具体的な入学条件は、各大学のウェブサイトで確認しましょう。

センター試験の代わりに私立大学の合格通知書で認めてもらえた例や、短大を卒業していてもドイツの大学側で、日本の短大データが なかったために補足の資料を提出する必要があったなどの例もあります。

ドイツの大学の特徴

ドイツの大学は、基本的に学生が入学したい大学を自由に選べるため、大学間の格差はないとされています。 歴史と伝統ある大学という意味では、ドイツ人の中でも有名な大学としての評価がありますが、 どの大学に在籍しているよりも何の学問を勉強しているかが重要です。

近年は9大エリート大学と呼ばれ、国際競争力をつけるために特定の大学に補助金を交付しています。 しかし、いずれにしろドイツの大学は希望者は基本的に入学できるシステムであるため 「その大学に入学している学生はすごい」という評価や考えはありません。