スペインの大学留学とは

スペインには、約50校の公立(国立)大学と、約25校の私立大学があります。 私立大学にはカトリック系の大学が含まれ、その他にも技術大学や芸術大学などがスペインにはあります。

スペインの大学は10月に学年がスタートし、翌年の6月に終了します。 10月〜翌1月までを1学期、2月~6月が2学期となる2学期制です。 スペインの大学は講義が主体とされています。

ヨーロッパ内での高等教育機関の学位及び単位システムを互換性のあるものにする「ボローニャプロセス」によって 現在、スペインの大学の制度は改革が行われています。

従来のシステムでは学位課程は、 準学士課程にあたる第1課程(Diplomado)が2~3年、 学士課程にあたる第2課程(Licenciado)が2年、 博士課程にあたる第3課程(Doctorado)という形で3つの課程に分かれていました。

現在移行しているシステムでは、 学士課程であるGradoが4年、 修士課程であるPostgradoが1~2年、 博士課程であるDoctoradoが3年〜、 の3課程への移行を目指しています。

スペインの大学に入学するのは条件から非常に難しいとされていますが、 日本の大学に在籍しているまたは卒業した人は、聴講生(Alumnos Visitantes)として、大学の授業を聴講することが可能です。 場合によっては聴講している授業の試験を受けて単位を取得し、更にその単位が日本で在籍している大学で認めてもらうことができれば、 休学して1年間スペインの大学留学にチャレンジするのも良いでしょう。

スペインと言っても、カタルーニャ、バレンシア、バスク、ガリシアなどの地方では、各地方言語で授業が行われる可能性がありますので、 大学選び、そして選考するコースの情報はしっかりと確認しておきましょう。

スペインの大学留学の費用

スペインの公立(国立)大学の学費は、日本と比較しても非常に安いです。 年間10万円ほどの学費で、留学生もスペインの大学に通うことができます。

具体的な学費に関しては、スペインの各大学及び選考するコース、更にはレートによっても異なります。 また現在は留学生でも安価な費用でスペインの大学に留学することができますが、今後の経済状況、経済政策によって 変わる可能性も大いにあります。

入学を希望するスペインの大学が決まったら、学費や入学条件を大学のウェブサイトで確認しましょう。 公式でない情報は変わっている可能性もあるため、大学のウェブサイトに情報がない場合は、直接問い合わせをすることをお勧め致します。

スペインの大学留学には、学費の他に、滞在費や生活費、保険代金、航空券代金なども必要になります。

スペインの大学の入学

基本的にスペインの大学への入学は非常に難しいとされています。 日本の高校卒業からスペインの大学に入学する場合は、 スペイン語能力の課題はもちろん、日本の高校卒業資格をスペインで認定してもらう必要があり、更に Selectividad (La Prueba de Aptitud de Acceso a la Universidad)と呼ばれる大学入学適性試験を受験する必要があります。

日本の大学に在籍または卒業生が、スペインの大学に編入する場合は、スペインの各大学の外国人受け入れ条件に合わせて申請していく形になります。 この申請条件は大学によっても異なり、また年度によっても変わる可能性があります。 日本の大学で取得した単位がどこまで入学を希望しているスペインの大学に認めてもらえるか、がポイントになります。

スペイン大学留学の学位

スペインの大学の学位に関しては、「ボローニャプロセス」と呼ばれる ヨーロッパ内での高等教育機関の学位及び単位システムを互換性のあるものにする考えによって 現在、制度の改革が行われています。

従来のスペインの大学システムであれば、 180~270単位を第1課程(Diplomado)で取得して、準学士(Diplomado)、技術建築士(Arquitecto Tecnico)、または技術技師(Ingeniero Tecnico) の学位が授与されていました。 その後、第2課程(Licenciado)に進み120~150単位を取得すると、学士(Licenciado)、建築士(Arquitecto)、技師(Ingeniero)の学位が 授与されます。

この従来のシステムから、現在は第1課程(学士課程)で240ETCS(European Credit Transfer System))を取得し、 学士(Grado)の学位が授与されるシステムに移行しています。 従来では、学士号の授与であった第2課程は、修士課程となります。