イタリアの大学留学とは

イタリアの高等教育機関はほとんどが公立(国立)です。 イタリアには大学(Università, Istituti Universitari, Politecnici)、 美術学院(Accademia di Belle Arti)、音楽院(Conservatori)が高等教育機関として存在します。

大きく分類すると、大学では学問として学び、美術学院及び音楽院では技術を学びます。 例えば、美術史であれば大学、実技であれば技術学院になります。

大学の正規コース(corsi di laurea)は、3年課程になっています。 その後2年の専攻過程(corsi di laurea magistrale non a ciclo unico)に進むこともできます。

美術院及び音楽院も同様に、corsi di diploma 1゜livelloと呼ばれる3年課程の後に、 corsi di diploma 2゜livelloと呼ばれる2年課程に進むことができます。

大学の正規コースとして、3年課程と2年課程が一貫している5〜6年の課程(corsi di laurea magistrale a ciclo unico)もあります。 医学、獣医学、薬学、建築学、建築工学、薬学の分野など専門分野の教育に集中する学問が対象になっています。

corsi singoliと呼ばれるコースは、1年間だけ聴講生としてイタリアの大学に留学できます。

日本での最終学歴によって、どのコースに入学できるかも変わります。 またイタリアの大学システムは改革が行われているため、各大学によっても対応が異なる可能性があります。

更に留学の条件及び学位に関しても変更される可能性があるため、 留学を希望するイタリアの大学及びコースが決まったら、必ずイタリア文化会館や大学に確認しましょう。

イタリアの大学留学の費用

イタリアの公立(国立)大学の学費は、日本の大学の学費に比べて安く、年間で10〜20万円程度です。 私立大学は公立大学に比べて学費が高くなります。

もしかしたらイタリアの大学の学費は収入によって異なると聞いたことがあるかもしれませんが、 それはイタリア人の学生に対してであり、外国人留学生は関係ありません。

イタリアの大学の学費は変更される可能性もありますので注意しましょう。 最新の情報はイタリア文化会館や大学で必ず確認しましょう。

イタリアの大学に留学するためには、学費以外にも、滞在費やお小遣いを含む生活費、航空券代金、保険代金、 ビザ申請料金も留学費用として準備する必要があります。

イタリアの大学の特徴

イタリアの大学の多くが2学期制になっています。 9〜10月に新学期が始まり、翌年の6〜7月に一学年を終えます。

一部の大学及び専攻を除いてイタリアの大学の授業はイタリア語で行われます。 しかしイタリアの大学は教授によって方言があり、各教授の話すイタリア語にも慣れる必要があります。

イタリアの大学では国際化が進み、英語のみで授業が構成されるコースもあり、その数は年々増加の傾向にあります。 英語で講義が行われるコースが、その他のコースに比べて外国人留学生が多くなるため、 留学生活を通してイタリアだけなく世界中からクラスメイトから価値観や文化に触れる機会があるでしょう。

イタリアの大学の入学

イタリアの大学に留学するためにはイタリア文化会館にまず出願申請を提出しなければいけません。 イタリアの大学、美術学院及び音楽院に入学するためには、日本の高校卒業もしくは同等の資格の証明が必要になります。

現在日本の4年制大学に在学し且つ3年生以上の場合、または4年制大学を卒業している場合は、イタリアの大学、美術学院、音楽院に編入することができます。 編入の場合は日本での専攻分野と成績証明が必要になります。

必要書類を提出すれば必ずしもイタリアの大学、美術学院、音楽院に編入できる訳ではありませんので注意しましょう。 美術学院の場合はポートフォリオ(作品)の提出が必要になります。

イタリアの大学、美術学院、音楽院に入学するためには試験も必要になります。 試験はイタリア語の試験と、各大学(美術学院、音楽院)の試験を受ける必要があります。 イタリア語の試験に関しては、イタリア政府が認定している各検定試験で一定以上のスコアを取得できれば免除が可能になっています。

イタリアの大学の出願は、日本のように同じ大学でいくつかの学部を併願して出願することができません。 一つの大学に付き、一つのコースしか出願できないので注意しましょう。

イタリアの大学は、各大学毎にEU以外の外国人枠が定められています。 そのため日本人は、大学の外国人枠が定員になってしまうと入学できません。

corsi singoliと呼ばれるイタリアの大学に1年間だけ学位は取得できず聴講生として参加できるコースの場合は、 日本の4年制大学の3学年以上に在学していることが条件になっています。

イタリアの大学留学の学位

イタリアの学位システムは日本と異なります。 基本的にイタリアの大学は学部レベルが、基礎課程と専攻課程の2つに分けられています。

Corso di Laureaのコースで取得できる学位は「Laurea」になります。 3年課程の基礎コースで、専門分野の知識は必要なく高校の卒業以上の資格で入学できます。 トリエンナーレとも呼ばれます。

Corso di Laurea Magistrale non a ciclo unicoで取得できる学位は「Laurea」と「Magistrale」 または「Specialistica」になります。 2年課程の専攻コースになり、Corso di Laureaの基礎コースに続くものです。

日本の4年制大学を修了し学士号を取得していて、且つ参加を希望しているコースの専攻分野で Corso di Laureaの課程修了と同等の専門知識が、入学に必要になります。