リヨン留学

以前リヨンを中心としたローヌ・アルプス地方議会（ERAI）に勤務していた際、この地方の8つの県を頻繁に駆け回り、日本との経済・文化交流に努めました。日本からの視察団、研究者、アーティストの受け入れもしました。パリ、ジュネーブ滞在の後、リヨンとのお付き合いは30年になります。当初は、リヨネは消極的、保守的なのでは、との印象を受けましたが、絹織物の街、美食の街、若者の街として（最近ではエコロの街として！？）魅力的な変貌を遂げたと思います。

フランスの中ではリヨンは交通の便はもの凄く恵まれている都市だと思います。一番ははやりパリでしょうが、パリほど人の数も多くないので適度に快適で、それでいてSNCF（フランスの国鉄）もリヨンの交通も揃っていてかなり便利でした。 リヨンの市内は基本的にメトロかトラム、そしてバスを使ってどこにでも行くことができます。バスは本数も多くいろいろなルートを通るのですが、日本のように車内アナウンスがなく降りる場所を見過ごしがちなので、街の風景が見てわかったり慣れるまでは少し難しいかもしれません。ただ、メトロとトラムを使えば日常の生活範囲、学校で知り合った子の家に遊びに行くにも困ることはほぼありません。メトロもトラムも色で線が分かれており、パリや東京のメトロのように全く複雑ではない（むしろ単純すぎるくらい）なので、マップを見て行きたい駅を把握すれば簡単に移動することができます。 リヨン以外の都市に行くにも、リヨンにはペラーシュとパールデューというTGV（フランスの新幹線）が止まる駅が2つあるので、パリにも2時間ちょっとですぐに出れます。フランスはパリを中心に放射線状に交通が敷かれているので、南東のリヨンから南西のボルドーに行く時などは一度パリに行って面倒かもですが、それでもTGV一本ですぐパリに出られるのはとても恵まれている都市かと思います。

日本と比較してしまうとどの国も安全とは言えなくなってしまいますが、ヨーロッパの中では比較的治安は悪くなく、住みやすい都市なのではないかと思います。 リヨンはフランス第二、第三の都市なので、日中はもちろん夜もそこまで深夜にならなければ女性一人で歩いていても危なくはなかったです（現地のフランス人女性も仕事帰りで一人で歩いている人を見かけたりします）。ただ、それも基本的には自分の身は自分で守り、治安があまり良くないと言われている地域には近付かないなどの最低限なことをしている上での話です。 日本ではないということを頭にしっかりいれた上で、スリに気をつけてバックは常に手元に置くなどの基本的なことはもちろん、feteなどで友達の家で飲んで食べたりして帰るときは必ず複数人で帰る、女の子一人になりそうな時には必ず男の子についてもらって家まで送ってもらう、など気をつけることです。私が滞在しているとき、日本人の女の子が丁度半年くらいたって慣れてきた頃だったので、寮からちょっと遠い友人の家でご飯を食べて22時くらいに一人で歩いて帰ってきたとき、複数の酔っぱらった男の人たちに囲まれて耳元で叫ばれたり、怖い思いをしていました。結局そのまま去っていって幸い何も起きませんでしたが、要は危険なことを招くような行動をとらない、Perracheの反対側など治安が良くないと言われている地域にはなるべく近付かない等、自分自身で気をつければ、リヨン自体は良い街なので楽しい思いでの滞在になるかと思います。

フランスの中でも都市のほうなので田舎の地方と比べると自然は少ないです。ただ、トラムかメトロで上のほうに行くとパルクドテットドールという大きい公園があるので、そこに行けば芝生の上でピクニックをしたり自然を感じることができます。