国民の多くがチベット仏教を信仰しており、一般的に信仰心は非常に篤いです。人生の目的は現世でより多くの功徳を積み、来世でより良い生まれ変わりになることとされています。各家庭には立派な祭壇があることが多く、プジャと呼ばれる法要は各家庭において非常に重要な行事となっています。仏教の教えから、殺生厳禁で、蚊を殺すことさえ嫌がります。またベジタリアンも多いです。身内のものが亡くなると、葬儀など非常に時間をかけて行います。葬儀のために1か月ほど職場を留守にすることもあります。そのことで仕事が滞ったとしても、誰も文句を言う人はいません。しかし一方で、現代的な価値観も入ってきており、西洋的なライフスタイルを好む傾向も出てきているようです。ブータンでは職場では、民族衣装(男性用はゴ、女性用はキラと呼ばれる)の着用が義務付けられており、世界的に見ても非常にユニークな政策ですが、他方、民族衣装よりもTシャツにジーンズというスタイルを好む人も多く、特に若者世代はそうした傾向があります。国技はブータン式アーチェリーですが、若者たちの間では圧倒的にサッカーが人気があります。ちなみに、ブータンはFIFAランキングで最下位あたりにランクされており、2002年に開催されたブータン(当時のランキングで最下位からひとつ上)対モントセラト(当時のランキングで最下位)の試合は「The Other Final」というタイトルでドキュメンタリー映画になっています。