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    日本
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    元在校生(通学期間:2012年8月~2014年5月)2016/01/15
    Johns Hopkins SAIS (MA in International Relations) 簡単に経歴を教えて下さい。 日本の大学、大学院で江戸時代の遊郭の研究をして日本文学の修士号を取りました。その後、運用会社で年金や機関投資家、投資信託の資産運用業に3年間携わり、SAISに留学しました。専攻は開発(IDEV)で、卒業した後に世界銀行グループに就職しました。独立評価局(IEG)という部署で世銀グループの仕事を評価する仕事に関わっています。 留学のきっかけは? 私の運用会社でのキャリアの後半では、特に新興国の金融市場を見ていました。新興国の経済というのはやはり不安定で、欧州の債務危機や米国の格下げなど、何か起こるとその煽りを受けて揺れ動くんですね。そういうところで生活したり、ビジネスをしたりしている人はたまったもんじゃないだろうな、と感じていました。たまたま、服部正也さんの『ルワンダ中央銀行総裁日記』を読んで、私も新興国の経済のために何かできるんじゃないか、そうすると世銀やIMFかな、と興味が湧きました。そういう意味では、民間セクターから公的セクターへのキャリア転換のための留学と言えるかも知れませんね。 もともとの開発への興味というのは最初はかなり漠然としたものでした。1980年代に生まれて、物心つくと日本経済は既にバブルが弾け、成長する経済というのを自分自身で経験したことがなかったんです。それで新興国の活気のある社会というのに、なんとなく憧れのようなものを抱いていたんだろうと思います。でも先ほど述べたように、脆弱なところもあるんですよね。一つ思っているのは、日本人一人に1単位の幸せをもたらすのと、新興国の人一人に1単位の幸せをもたらすのって、後者の方が難しくないというものです。そういう意味で、新興国の人々のために付加価値を生み出してゆく方が、幸せに出来る人は多いのだろうな、なんて考えたりもします。 少し話は逸れるのですが、日本の古典文学の研究というのも一つの伏線になっています。日本の昔の人々の生き様、そして文芸というのは、彼らの時代の常識や価値観に基づいていたもので、古典の研究は、彼らの考え方を理解することから始まります。彼らの考え方って、現代の我々のそれとはやっぱり違ったんです。こんな小さな島国でも、常識や価値観は変わる。そう考えると、今、横に広がっている世の中にはまた違った考え方を持つ人たちがいるんだろうなぁ、と。それまで縦に掘り下げていたものを、横に拡げる感覚ですね。日本を飛び出して来たのにはそれもあったと思います。 SAISの印象を教えて下さい。 来る前はほとんど情報がなく、留学も初めてだったので、右も左もわからず始めました。たぶん、SAISだけではないと思いますが、留学すると全てのものが新鮮なんだと思います。最初のルームメイトはネブラスカ人とインド人で、「あぁ、この人たちはこんな風に考えて、こんな風に生活を組み立てているんだ」と日常的に発見があったし、声をあげなければ何事も起きない代わりに、何かしっかり申し立てをすると意外と簡単に物事が動いたりするのも、あまり日本ではなかった経験ですね。SAISならでは、というのは他の学校に行っていないのでわからないところもあるのですが、開発系の計量経済学のクラスは質の良いものが充実しており、語学も選択肢がかなりあるので、私はヴェトナム語とインドネシア語を同時に学んで少し忙しい学生生活を送りました。シンクタンクが密集している中に位置するのも、セミナーに行きやすいという意味でプラスでしたね。 キャリアの転換には成功したようですね。 まだ道半ばですが、方向としては何とか進んでいると思っています。SAISへの留学が役に立ったかと言えば、答えはYesですね。DCにいるのといないのでは、世銀への入りやすさは大きく違うと思います。ジュニアなポジションでは「すぐ来て欲しい」という募集も多く、卒業生がたくさん働いていると内部の情報も流れてきます。入ってからは自分の能力次第なのですが、取っ掛かりを作るのにSAISは役立ったと思います。世銀や米州開発銀行など決めうちで考えている場合はDCか、少なくとも東海岸に留学するのが近道ではないでしょうか。ただ、留学の話からは逸れますが、開発機関というのは外から見るのと中から眺めるのでは大きく印象が違うので、しっかり考えて、いろいろな人に話を聞いてみてから考えて下さいね。 夢はありますか?今後のキャリアはどんな風に考えていますか? 何か、達成してしまえばもうそれで終わりというようなものはないのですが、開発には携わってゆきたいですね。金融セクターの開発支援だと思います。資本市場関連の仕事をしていたので、そこが出発点です。金融インフラの開発、例えば決済システムなんていう分野についてはとても興味があります。 少し先の将来に関しては、しっかりと知見が身についたところで、新興国における教育に転じて、若い世代への経験の伝達に関する仕事が出来ないかな、と漠然と思っています。新興国の財務省で非公式にインターンしたことがあり、それは確定拠出型の企業年金のスキームを立ち上げるための調査だったのですが、財務省側の意図は国債の安定的な買い手を作ることでした。一方で市場は未成熟で、取引コストが高く、流動性もなく、物価も安定しないひどいところで、金融抑圧下の国債を含めて金融市場への投資はするべきではないという結論を導きました。「年金システムを作る前にすることがありますよね」というメッセージを暗に込めたプレゼンをすると、やっぱり怒られました。開発って外から何かするだけではダメで、中の人たちのマインドセットにいかにアプローチをしてゆくのか、そんなことを考えると、若い人たちの教育ではないか、と。うまくゆくかなんてわかりませんけどね。あと、アメリカはご飯が美味しくないので、永住する気はありませんね... SAISを目指す方に何か一言お願いします。 SAISに関わらず、留学は出来るときにして損はないものだと思います。お金も時間もかかります。が、違う世界への切符と思えば高くないんじゃないかと個人的には思います。あと、お金は何とかしようと思えば何とかなります。私も学費を半額免除してもらいました。そして、やると決めたら、最大限にその機会を利用して下さい。面白いことがいろいろ出来ます。迷っていることやわからないことがあれば、いや必ずたくさんあると思うのですが、在校生や卒業生に尋ねて下さい。みな優秀な後輩が来てくれると嬉しいので、しっかり支援しますよ。 http://sais-japan.blogspot.com/2015/11/keita-2014.html
    SAIS Nitze Building

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