アロヨ・グランデ

私のホストマザーはこちらで、不動産の営業をしていました。海岸そばのオープンハウスを見せてもらいましたが、結構人気のあるエリアで、どの物件も高く売れるそうです。ホストマザーはフルタイムではなく、パートタイムで働いていましたが、給料や待遇もかなりよいようでした。 ホストブラザーは高校を卒業して消防士の訓練を受け、消防士として働いていました。消防士と聞くと危険で大変な仕事のようですが、大きな火事が起こることは滅多にないようで、楽しく仕事をしていると話していました。仕事のない日はサーフィンを楽しんでいて、今はハワイのカウアイ・アイランドに弟さんと引っ越して、そこでサーフィンをメインに楽しく暮らしています。 和食レストランにお寿司を食べに行ったとき、そこの韓国人の店員さんと仲良くなり、バーやクラブなどに遊びに連れて行ってもらいましたが、お客さんもフレンドリーで愉快な人が多く、仕事はとても楽しいと言っていました。 私はその地域で小学生のアフタースクール・ケアのボランティアを経験しましたが、ボランティアに来ている人はみな生活に余裕がある人ばかりで、みなさんとても親切で、ボランティアも仕事も楽しんでやっているというイメージが強かったです。

ここはカリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコのちょうど中間ぐらいに位置していて、この地域の気候は、寒いのが苦手な私にとっては最適でした。私がここでホームステイしていたのは冬の終わりから春先頃でしたが、さすがに冬なので朝、晩は少し冷えますが、昼は大抵ポカポカしていて晴れの日が多かったです。傘をささなければならない日は一度もありませんでした。ロサンゼルスには夏にも何度か行ったことがありますが、湿度が低くからっとしているので気温が高い日でもそこまで暑いと感じませんでした。 アロヨ・グランデは海岸までも近く、そばにはきれいなビーチもいくつかあります。サーファーも多くいて、冬でもサーフィンの大会が行われていました。冬でも暖かいので、ホストファミリーにビーチに連れて行ってもらって、水着で日光浴をしたり、家のルーフ・トップでもリクライニング・チェアでビキニでのんびり日光浴をすることがよくありました。私は留学でこちらに来ていましたが、気候もロケーションもよいこともあって、ビーチの近くにホリデーで来ているような感覚にもなりました。私のホストマザーやホストブラザーもそうでしたが、きれいに日焼けをしている人が多かったです。日本では美白に興味がある人が多いですが、こちらで色白だと病弱に見えるので、肌を焼いている人が多いようです。

ここでホームステイの期間中、この地域の幼稚園、小学校、中学校、高校を見せてもらう機会がありました。幼稚園は、私と同じ時期にホームステイに来ていた日本人の女の子がちょうど保育士になる勉強をしていて、私もアメリカの教育に興味があったので、一緒に半日訪問させてもらいましたが、のびのび子どもを育んでいる印象がありました。大人は日本人の名前をなかなか憶えられない人が結構いたのですが、子供たちはすぐに私達の名前を憶えて、自分たちのおもちゃを見せてくれたり、一緒にお絵かきをしたりすぐに仲良くなってくれました。絵本を読んであげると、日本語なまりの発音なのにもかかわらず、とっても喜んでくれました。小学校ではお昼休みにグランドでバスケットボールをしている元気な子供たちを見かけました。中学校・高校では実際の授業に参加させてもらいましたが、そこではカルチャーショックを受けました。私と同じように留学で来ていた日本人のグループに席を譲ってくれて、自分たちの席がなかったのもあるのでしょうが、先生の目の前で床に寝そべって授業を受けている生徒や、授業中なのにコーラを飲んでいたり、私が通っていた規則の厳しい高校では考えられないことがかなりありました。授業の間にある休憩時間におやつを食べる習慣にも驚きました。授業中は生徒はとても活発で、発言や質問も多く、寝そべっていてもきちんと先生の話を聞いているようでした。日本の学校のように授業中居眠りをしている生徒は全くいませんでした。

この地域には熱心なキリスト教信者が多くいました。他の宗教の人に対して、排他的な感じは全くなく、私はそれまでキリスト教に携わることがほとんどありませんでしたが、みんなフレンドリーに接してくれました。私のホストファミリーも熱心なキリスト教の家族で、毎週日曜日には教会に親戚の人たちも一緒に集まって、教会のイベントが終わるとみんなで朝ごはんを食べに出かけたりすることもよくありました。平日も中学生・高校生のホストブラザー、ホストシスターたちはキリスト教の聖書の勉強会に夕方参加していて、私も何度か参加させてもらったことがあります。ジーザスについてそれまで無知だった私に、ホストマザーは毎日いろいろなことを教えてくれ、どんな質問にも快く答えてくれました。この地域の人は聖書の教えを誠実に守っているのが感じられました。「汝の隣人を愛せよ」という教えがありますが、本当にその通りにしているようです。みなお互いに優しく接していて、助け合っているのがよくわかりました。ボランティアをしている人も多くいて、私もホストマザーに子供たちのアフタースクール・ケアを手伝いに何度か連れて行ってもらいました。 この地域の人はみなお互いに信頼し合っているようで、ホームステイをしている間、安心感がありました。

この町に住んでいる人はほとんどアメリカ人です。日本人は私のように留学生として来ている人はいましたが、永住している日本人に会うことはありませんでした。日本食レストランもありましたが、働いていたのはアメリカで育った韓国人ばかりでした。お店に入ると「いらっしゃいませ！」と元気に声をかけてくれましたが、日本語はほとんどわからないようでした。そういう環境なので、英語を伸ばしたい人にはもってこいの場所だと思います。この地域の英語の発音は変ななまりがなくきれいですし、英語が母国語でない人にたいしてはより丁寧にゆっくり話してくれる人も多いので、わかりやすいです。 この地域の人はあまりアジア系の人に会う機会がないからか、近所を散歩していると「ニーハオ」とか「アニョハセヨー」とか、たまに「コンニチワ」と声をかけられることもあります。日本人、韓国人、中国人の区別がほとんどつかないようです。その点、今住んでいるシドニーではアジア人の割合が多いせいか、この区別がつく人が多いようで、間違えられることがあまりありません。 この地域はシドニーと比べると住んでいる人の人種が圧倒的に少ないので、レストランの種類も少ないです。お寿司屋さんは一軒だけありましたが、オーナーは韓国人なので、日本の味を期待しているとちょっとがっかりするかもしれません。 アメリカらしさを体験するにはとっておきの場所だと思います。

Arroyo Grandeはカリフォルニアの気候のよい場所にあります。ちょうどロサンゼルスとサンフランシスコの中間くらいの位置です。そこで出会った人はみんなとってもフレンドリーで、散歩をしていて知らない人でも'Good morning. How are you doing?'などと気軽に声をかけてくれました。海外で初めてのホームステイと短期留学で最初は一人で少し心細かったのですが、出会う人みんなが明るくて快く私を受け入れてくれて、特にホストファミリーは私の本当の家族のように接してくれました。当時は英会話学校に入ってちょうど１年くらいたった時で、少し英語に自信が出始めてきた頃でしたが、ネイティブの話すスピードには全くついていけず、悔しい思いもしました。そんなときでも、ホストマザーは私にゆっくりはっきりときれいな発音で話しかけてくれて、毎日楽しい会話ができたので、もっと英語を勉強しようという私のモチベーションを上げてくれました。 私のホストファミリーもそうでしたが、この地域はキリスト教に熱心な人が多くて、毎週末教会に通ったり、教会のイベントも多かったです。このイベントで出会った人たちもみなとってもフレンドリーで、それまでキリスト教に関わることがなかった私にも優しく接してくれました。