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新規投稿- 住まい3.0
- 元滞在者(滞在期間:2012年9月~2013年3月)2016/01/02
- 賃貸住宅を選ぶ際には、念頭におくべきことがあります。 歴史街区(centro)の賃貸物件は、大学へアクセスしやすい反面、かなり古い建物であることが多いです。 したがって、上下水道をはじめとする生活インフラに故障が生じやすいです。 そして、生活インフラに問題が発生した場合、メンテナンス対応はほぼ必ず遅れます。大家のせいか、インフラ業者のせいか、あるいは両方のせいで、信じられないくらい待たされます。それはもうボローニャというよりはイタリアという国全体の性質です。例えば、ヴェネツィアに留学していた私の友人は、冬場にガスが故障したせいで、氷点下の気温の日々(合計33日間)を暖房も入浴もなしでサバイバルするはめになりました。そうした場合に頼りになるのは、一にも二にも仲のいい友人だけです。渡り歩いても何でもいいから、ひとの力を頼りましょう。 つまり、歴史街区を選んだ場合、サバイバルに備えて日ごろから善良な友人を作っておく必要があります。 私の場合、鍵が壊れたせいで自宅へ入れなくなりました。その日は大家に連絡がつかなかったので友人宅に泊めてもらいました。次の日、大家が鍵を破壊して私を自宅へ入れたのですが、土曜日でしたから職人がつかまりませんでした(金物店 ferramenta で見てくれることが多いです)。 私は鍵なしで自宅に閉じこもって週明けを待ちましたが、大家が約束をとりつけた職人が月曜に来ませんでした。私は月曜夕方にあらためて大家を通じて翌日来訪を職人に約束させたのですが、結局火曜も来なかったのでもう一度大家を通じて催促しました。 職人が水曜になってやっと来たとき、職人は昨日も一昨日もドアホンを押したけど誰も出なかったと言いました。私は朝から晩までここで待っていたのだからそんなはずはないと言いかけましたが、こらえました。どんなに私が正しくとも、職人の機嫌を損ねると面倒だと思ったからです。逆に折り紙で睡蓮の花を折り、職人が仕事を終えた瞬間に「これは仏教では調和の象徴なんだ、あなたにあげる」と言って渡すと、職人はなんと最初に言っていた額の半分に負けてくれました。 イタリアでは、問題が発生すると解決までに必ず時間がかかります。しかしどんなときも、他人への心遣いを常に忘れずに、してもらったことについてそれなりにお礼をしていくと、報われることがあります。
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- 国民性5.0
- 元滞在者(滞在期間:2012年9月~2013年7月)2016/01/01
- ここで留学生活を送っているあいだ、イタリアのなかで最も知的な雰囲気を街から感じました。 それもそのはず、ヨーロッパ最古の大学であるボローニャ大学を中心として街が形成されているためです。 中世、ヴェネツィアの港とイタリア半島各地方の中継地点として栄えたボローニャでは、貿易に関わるさまざまな問題にひとびとが頭を悩ませていました。解決のために、ローマ法に詳しい人を呼んで広場で話を聞こうということになったのが、ボローニャ大学の起源です。 実際ボローニャ大学は街の特徴に大きな影響をもたらしました。例えば、中心街では、建物の二階部分が歩道のうえにせり出しているため、雨の日でも濡れずに済むような回廊(porticoと呼ばれます)がいたるところにみられます。この特殊な構造は、寄宿生の増加にあわせて住民がどんどん2階以上の部分を増築した結果生まれたものであり、世界遺産に登録されています。 独立心も昔から非常に強く、13世紀に神聖ローマ帝国から攻められたときには皇帝の息子を人質にとって交渉を続けたり(幽閉先がエンツォ王宮殿 il Palazzo del Re Enzo)、19世紀にオーストリアから攻められたときにも街全体で団結して追い返したりしています。 その独立心の核を成すのが学問の伝統だといえます。 ボローニャはフィレンツェやヴェネツィアのように決して華々しくはありませんが、観光地化していないぶんとても落ち着いて学生生活を送ることができます。もしも絵画や建築を見に行きたくなったらたまの休日にフィレンツェやヴェネツィアに電車で行けば十分だ、それよりもひたすら勉強したいという方におすすめです。
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