ウエスタン・ワイオミング・コミュニティー・カレッジ

自身は車もありませんでしたため、外部のアパートメントを借りて通学することが出来ませんでした。ですので、入学から卒業まで学生寮で生活をしました。学生寮はほぼ大学の建物の隣に建っているので便利でした。大学敷地内から学生寮は歩いて２～３分です。その間だけでも、冬の間は外に出るとものすごい突風が吹いており、雪が積もっているのでざくざくと歩き、数分間でも外に出るのがつらかったです。学生寮はどれもそこそこきれいな建物で、セキュリティの人間もウロウロしていて、暮らしやすかったです。寮の建物には２４時間使用が可能なトレーニングジムが付いています。夜中眠れない時などジムで汗を流すこともありました。またコンピュータールームもあり、印刷がしたい時などすぐ利用することができて便利でした。基本的にかなり多くの生徒が学生寮に入っているため、廊下を歩くと、クラスメートなんかにはしょっちゅう会います。全寮制の生活みたいで楽しかったです。部屋はルームシェアの共同生活スタイルのため、いくつも廊下に勉強が出来る椅子やソファと机の設備もありました。集中したいとき、気分を変えたい時など、寮のロビーを利用して勉強していました。友人が通りがかって勉強が中断することも多かったのですが、それも気晴らしになりよかったです。

寮は大きくわけて４つの建物があり、部屋のタイプも４タイプありました。入学時は、アプリケーションとともに入寮手続きを行い、空室にランダムに部屋が割り当てられたようでしたが、１年経つと部屋が変更できます。登録開始日が定められており、その日の朝９時から部屋のサインアップが可能です。しかし、多くの寮生が自分の希望する部屋に、希望する人と入寮したいため、その前日からレジスターオフィス前には大行列が出来ます。たとえば友達４人でルームシェアをしたい場合、４名がまるまる空室になっている部屋はそうそうないので、いちはやく登録をしたい、そうすると一番最初に並んでおきたい、という気持ちから、サインアップ日の前日のお昼には大量の生徒が廊下に並んでいます。それは異常な光景でした。中には、テントを持ちこんで廊下に居座っている生徒もおり、雨風をよける必要はないのに、校内でテント・・・と、その大準備っぷりに笑ってしまいました。多くの生徒がＸＢＯＸなどゲーム機を持ちこんで並んで、ひたすらゲームをしていました。私も宿題をしながら丸一日、列に並びました。授業の間はお友達に頼んで、その場所を確保しておいてもらいました。苦労の甲斐あり、翌朝には念願の“キッチン付き”の部屋へ部屋移動することが決まり、カフェテリアミッチェルの食生活から、自炊生活へと移行できることに喜びました。

学生寮のキッチン付きの部屋は快適でした。システムキッチンが完備でとても広く、使いやすかったです。ただし寮のファイヤーアラームがかなり敏感な作りになっており、少量の煙でも感知すると、寮中にファイヤーアラームが鳴り響き、全員がいったん外に出されると言う大変な騒ぎになってしまうので、気をつけながら使いました。さんまを焼こうものなら、すぐにアラームがなっていたと思います。（もちろん試したことはありませんが）日曜日の朝早くにどこかの部屋がアラームを鳴らしてしまい、寝ぼけまなこのパジャマ姿で外に放り出されたこともありました。また、寮の各フロアに、共同のキッチンがありました。キッチンには大きな冷蔵庫もついており、友人同士で集まって料理を楽しむことも可能でした。机やテーブルも置いてありましたので、キッチンルームで誕生日パーティといったこともできました。そこを使っていると、同じ寮生が「なにを作っているの？」と話しかけてくれて、交流が深まるようなこともありました。キッチンが無い部屋に住んでいた時は、先人から受け渡された「電子レンジでチンするだけでご飯が炊けるプラスティック製のおかま」を持っていたので、部屋に設置されていたレンジでご飯を炊いて、日本食を懐かしんでいました。

学校の敷地のそばに、シェア用のアパートメントや、一人暮らし用の部屋など、学生が住むような住宅環境はありません。そういったアパートメントは、車で１０分以上離れた場所になるので、車を持っていない実家から離れて暮らす必要のある生徒は、必然的に大学の敷地内にある学生寮に入ります。ですので、大学全体の生徒数に対して、学生寮の設備は十分にあったように思えます。ただし、自分の希望している部屋形態を借りられるとは限りませんでした。人気の形態の部屋はすぐ埋まります。部屋の種類は主に下記４タイプありました。①２人で１部屋とバストイレをシェア、②２人でリビングとバストイレをシェア（キッチンと簡易個室あり）、③４人で２部屋とバストイレをシェア、④４人でリビングとバストイレをシェア（キッチンと個室２部屋有り）。一番人気があったのは②の部屋タイプだったように思えます。どのタイプもルームシェアタイプでしたので、友達と２人でその部屋タイプに入ることが出来るのが理想でした。また、私は初めての入寮時、①のタイプの部屋で、完全にプライベート空間の無いシェアルーム、しかもキッチンも無し、で暮らしていました。個室が全くないのは少しストレスでした。

日本からのアクセスはとても悪かったです。 成田からソルトレイクシティまでの直行便はデルタ社の1日1便しかなく、学生時代は節約のため、乗り換えでの移動をしていました。 （例：成田からＬＡＸ、ＬＡＸからソルトレイクシティ。もしくはサンフランシスコ経由、等）そこまでで１６，７時間はかかりますし、ソルトレイクシティから大学までは車で３時間です。そして、実家は東京ではありませんでしたから、そうすると、本当にもうまるまる２４時間かけて大学までたどりつく、という感じでした。ものすごい移動距離と時間がかかりました。また、ソルトレイクシティから大学までの３００ｋｍの道のりは、友人に車で迎えに来てもらうか、なければ公共機関を使う方法があります。この公共機関と言うのが、グレイハウンドバスというアメリカ全土を結ぶ格安バスで、正直な話、あまりアメリカ人は利用しません。車内に乗っている人は明らかに黒人かヒスパニック系が多く、慣れていないと少し圧倒されるかもしれません。あまり評判のよいバスじゃないので、アメリカ訪問が初めて、という人には利用をおすすめしません。盗難トラブルのうわさも聞いたことが有りますので、利用時には注意が必要です。また、グレイハウンドバスのロックスプリングスターミナルから大学までは車で１０分くらいの位置にありますので、バスを利用して大学まで移動するにしても、ターミナルから大学構内まで移動するには、友人の送迎かＴａｘを頼まないといけません。

ワイオミング州ならではの遊びといえば、キャンプと川釣りです。大学で知り合った友達の大半は、キャンプ遊びが得意でした。きっと土地柄家族でキャンプをよくしていた幼少期を過ごしたので、みんな得意になったんだと思います。山道の運転はもちろん、テントを上手にはって、アウトドアでの調理も手際よくやって、夜はキャンプファイヤーをたき、マシュマロを焼きました。そしてテントの中で眠ります。そういった遊びは、雪の積もり始める10月以降～５月頃まではできませんが、６～８月の短い期間であれば可能です。日本でももちろんキャンプは出来ますが、このように、２０歳前後の人たちが手際よくテキパキとキャンプ慣れしているという文化は日本ではなかなかありませんから、とても楽しかったです。また、冬はアイスフィッシングが楽しめます。あいにくアイスフィッシングに行こうと誘われた日、自分は体調を崩して参加できなかったのですが、友人たちは楽しかったと言っていました。また、ロッククライミングがとても盛んでした。学生の間でも流行しており、強靭な体でプロ並みに昇っていくような生徒も多くおりました。ロッククライミングは、シビックセンターという、市の施設にウォール設備があり、いつ行っても賑わっていました。ワイオミングの人は、ロッククライミングが好きなんだなあと感じました。

ロックスプリングは、完全に大学があることで栄えているとても小さな町ですので、遊ぶところはほとんどありません。そこで、“町”に出かけよう！！とすると、一番近い都会はユタ州のソルトレイクシティです。遊びに行こう！と気軽に行ける距離ではないのですが、がんばってしょっちゅうしょっちゅう遊びに出かけていたように思います。（走行距離300km離れているので、片道３時間かかります。）ソルトレイクシティも、山脈に囲まれた自然豊かな町で、景観がとてもいいです。モルモン教が盛んで、住民の半分以上がモルモン教徒で占められているかと思います。そのため、アルコール類の販売に厳しく、お酒を飲んで酔い潰れられるようなお店を見つけるのは困難です。きっとあるのでしょうが、自身はアメリカでは未だ未成年だったこともあり、そういう類のお店へは行ったことが有りませんでした。ソルトレイクシティまでくれば、ショッピングには困りません。大きなショッピングモールがいくつもありますし、Park Cityという大きなアウトレットモールもあります。このアウトレットモールをとても気に入っており、ソルトレイクシティに遊びに行く時には必ず立ち寄っていました。日本にもあるプレミアムアウトレットのようなショッピングモールです。ものすごく大きいです。

ワイオミング州は、アメリカ全土内でもとても人口の少ない州です。シカの数の方が多いと聞いた位です。それはつまり、広大な自然が残されているということです。 町で遊ぶ場所といえば、ボーリング場と映画館、小さいながらショッピングモールがあるくらいです。遊びと言えば、自分はドライブを楽しんでいました。1年を通して雨がほとんど降らない乾燥した土地ですので、ほぼ砂漠状態です。草木が異常に少ないです。道も広く、車も全然走っていません。運転がどんなに下手な人も簡単に運転をすることができます。そういった道をドライブして回るのはとても楽しかったです。あとは、スノーボードをしにスキー場に行くことが楽しみでした。１時間ほど車を走らせると、人気のスキー場があります。まずまずの広さがあり、遊びに来ている人がとても少ないため、ゆったり滑りを楽しむことが出来ます。もし日本にあればかなりの人数が遊びに来られる広さなのに、人口が少ないゆえにガラガラです。とても贅沢な気分を味わえます。スキー場の利用料金も、学生料金で３千円ほどでした。あの素晴らしい規模でありながら、日本と比べるとかなり安く、アクセスもよかったのでよく滑りに行っていました。

学校周辺の買い物や飲食事情は、はっきりいって充実していません。ものすごい田舎町なので町に出るのにも一苦労です。入学当時は車も持っていなかったので、友人たちと徒歩で丘を越えて40分ほど歩いてウォルマートまで行ったことが有りました。（帰りはさすがに迎えに来てもらいました。）別の日に、一人で丘を下りて町へ出てみようと歩いていたら、知らない人に「君は一体なんで歩いているの？載せてあげようか？」と声をかけられたこともありました。（人が歩いていることが不思議だったようです）スターバックスがかろうじてあり、スタバへ行く時はドライブでおでかけ気分でした。町でよく利用していたレストランは、チャイナキングバッフェという、アメリカン中華屋さんです。特別おいしいというわけではありませんでしたが、8ドルくらいで食べ放題で、グループで利用しやすくよく食べに行っていました。あとはパスタ屋さんやグリル屋さん、I HOPやクイズのといったチェーン店がありました。個人的にはアイホップのパンケーキも好きで、よく食べに行っていました。これもチェーン店ですが、アップルビーのディナーも、チェーンの中ではそこそこ好きでした。日本食屋さんも２軒ほどありましたが、あいにく足を運ぶことはありませんでした。

学校内で買い物が出来るところは、ほぼ１か所しかありません。 T-Rexというカフェテリアで、ホットサンドやコーヒーなどが買えます。持ち帰りも出来ますし、その目の前の広場で食事をすることも可能です。そのすぐそばには、大学のブックストアが有り、学校オリジナルのトレーナーやスウェット、マグカップ、ショットグラスや文房具など、大学ブランドの商品や、授業に必要な教科書、本、軽食が購入できます。ごく普通の学校の購買所です。自分はT-Rexで提供されているサンドイッチやハンバーガーがおいしくて結構気に入っており、ランチをこのカフェで取ることも多くありました。このカフェテリアの気に行っていた点は、天井が広く、また大きなガラス張りのデザインになっていたため、いつも太陽の光が差し込み、周りの山々の景色を眺めることが出来たことです。とっても景観がよかったので、食事をとりながら勉強することも多々ありました。授業の空き時間、ここでコーヒーを飲みながらリラックスすることもありました。学生たちからも人気があり、人はいつもおりましたが、広いスペースがあるので、とても落ち着く場所の一つでした。ここで勉強をしていると、通りがかりの友人に会えて気晴らしにもなりました。