ペンシルベニア州立大学

ペンステートのキャンパスとその周りのダウンタウン自体が山に囲まれていて外の世界から孤立しているので、キャンパスとその周辺のみで生活はほぼ成り立ちます。 車を持っていなくても、たいていの場合バスで目的の場所まで行けるので心配いりません。 学校のすぐ近くに空港もあるので、バスかタクシーで空港まで行けば遠くへの移動も比較的楽に行えます。 バスはキャンパス内も走っていて、広すぎるキャンパス内の移動にも便利です。 学生証を持っていればバス代は無料です。 経路が何種類かあるので、路線図を先に手に入れて行き先や乗り換えを把握しておいたほうが後々楽だと思います。路線図は色別に示してあるのでわかりやすいです。 車を持っていれば、高速道路を使ってフィラデルフィアやピッツバーグに行くこともできます。 高速は山を切り開いて作られたので、高低差やカーブがきついです。 運転に不慣れなうちは友達や他の人に運転してもらったほうがいいかもしれません。 加えて高速道路は夜間照明がなく、夜になると真っ暗になって何も見えなくなるので、移動は朝や昼にしたほうがいいです。 夜になるとシカやその他もろもろの野生動物が飛び出してきますし…

雨の多い地域です。 こちらに来るときには、長靴は必須です。 学校から一歩外へ出ると、周りはすべて山なので、キャンパスは盆地のような場所にあります。 天気が良く変わり、朝は雲一つなく晴れていたのに昼からはずっと雨、なんていうことはしょっちゅうです。 ただ、土砂降りの雨は少なく、ぎりぎり傘がいるくらいの雨が多いです。 秋になるとキャンパスの並木が紅葉してとてもきれいです。写真を撮るならこの季節です。しかし、秋は大体2，3週間で終わります。 冬はとても寒いです。10月の終わりごろから急激に気温が下がり始め、11月の中ごろには朝の気温はマイナスまで下がります。 雪もかなり降るので、雪の上を歩いても滑らないブーツを買ったほうが良いです。ジャケットとマフラー、帽子も絶対にあったほうがいいです。 気温が低すぎたり、雪が積もりすぎると授業がキャンセルされることもあります。ただ雪が積もり始めるとすぐに除雪車が来て、歩道の雪はほとんどどけてくれるので、雪による授業のキャンセルは、教授がキャンパスにたどり着けない場合によることが多いです。 とても寒い冬ですが、石造りの建物に雪の積もった景色はかわいらしくて私は好きです。

全米で最も安全なキャンパスと呼ばれているだけあって、キャンパス内は本当に安全です。 常にパトカーが何台も巡回していますし、すぐ近くに警察のオフィスもあります。 もっとも、私の聞く限りキャンパス内で重大な事件が発生することはほぼなさそうです。発砲事件が起きたこともなさそうです。 キャンパス内の歩道には、数メートルおきに緊急事態発生時のためのボタンが設置してあり、ボタンを押せば1分以内に警察が駆けつけるようになっているそうです。 夜には照明があたりを明るく照らすので、自分からわざわざ暗がりの抜け道を選ばない限りは、明るい道だけを通って寮までたどり着けます。 エスコートサービスも24時間いつでも利用可能です。 夜中に限らず、人気のないところを歩くのが不安な時などにいつでも呼べば快く来てくれます。 また、学生用バスも深夜2時ごろまで運行しているので、友達同士の集まりやパーティーなどで帰りが遅くなってしまっても、安全に帰宅することができます。 バス停も結構細かく設置されているので、バス停からさほど歩かずに帰宅できます。 いくら安全なキャンパスといっても、危険が全くないわけではないので、アメリカ生活で危険を避けるための知識は最低限身に着けてくるべきだとは思います。

大学を中心として発展した学園都市なので、キャンパスから徒歩でたどりつける範囲でたいていのものは手に入ります。 レストランやおしゃれなカフェなどもたくさんあります。 よく、おいしいお菓子やコーヒーを買って友達同士でショッピングをします。 また、いたるところに大学グッズを販売するお店が立ち並んでいるので、一軒一軒見て回るのも楽しいです。 周りは完全にペンステート一色です。 また、1ドル均一や食料品店もあるので、自炊をするのにも便利です。 車を持っていなくても、バスを利用すれば多少遠い場所にも行けます。 バスは、学生なら無料で乗車できるので助かります。 学内にもいくつかグルメスポットがあります。 食品栄養学部直営のお店では、州内で一番おいしいと評判のアイスクリームを買うことができます。学生が餌や栄養を研究して育てた牛の牛乳や、それから作ったヨーグルトなども売っています。 また、キャンパス内のベーカリーも評判が良いです。 パンも日本のベーカリーで買えるようなおいしいパンを焼いているし、ケーキやクッキーもとてもおいしいです。 入学当初は、アメリカのおいしくないパンにうんざりしていたので、ベーカリーのパンを買って食べたときは感動しました。

国際色はとても豊かです。 生徒だけでなく、教授たちの中にも様々な国から来た人がいます。 留学生は、他の大学と同じく、中国人、韓国人、インド人が多いですが、専攻によってはアジアからの学生が全くいない、という場合もあるようです。 他にも色々な国からたくさんの人が留学してきているので、興味深い話を聞けて楽しいです。 ESLから始める方は特に、国際色豊かな交友関係を築けることでしょう。 教授や学生からの外国人に対する差別や偏見も少ないので、のびのびと生活できます。キャンパスの周りにも、様々な国のレストランや食料品店が店を構えているので、アジア食品も案外簡単手に入れることができます。値は張りますが。 日本人学生はとても少ないです。 ペンステートの総学生数が5万人というのにもかかわらず、日本人は2，30人しかいません。 Japanese Associationというクラブは存在しますが、中心メンバー以外はほぼアニメ好きの外国人で構成されています。 日本人の全くいない環境で英語を徹底的に学びたい、という方にはもってこいな学校かもしれません。 他の国の人たちも自分たちの国のクラブを作っていたりするので、興味のある国があれば参加すると楽しいと思います。

学校の雰囲気は全体的に良いです。 基本的に学生は勉強熱心です。 キャンパス内のいろいろな場所で本を読んだり勉強したりしている人をよく見かけます。 暖かい日には、芝生の上に座って友達同士で勉強会を開いている人も時々います。 敷地がとても広くて、景観も良いです。 特に秋の紅葉の時期は、道に沿って植えられた木々が黄色や赤に染まってとてもきれいです。 ただ、アメリカの他の大学でもあるように、あちらこちらでパーティーが開かれているので、注意してください。 パーティーすべてが悪いとは言いませんが、たいていのパーティーにはお酒やドラッグがつきものです。薬を使って悪いことをしようと企んでいる人も中にはいます。 誘われても闇雲に参加せず、メンバーや場所などを詳しく聞き出して大丈夫そうであれば行ってみるのもいいかもしれません。 注意してほしいのは、アメリカの飲酒は21歳以上でないと違法だということです。アメリカ人の友達が大丈夫だといっても、自分が留学生だということを忘れずに。へんなトラブルに巻き込まれてビザが取り消されてしまったら、せっかくのチャンスや、今まで掛けてきた努力やお金が台無しです。 また、金、土曜日の深夜のキャンパスには酔っぱらった生徒がうろついているのことがあるので、深夜に一人で外を歩くことはできれば避けましょう。 ただ、暴れたり物を破壊したりする悪質な酔っぱらいは見たことがないです。 パーティーのことを除けば、ペンステートは安全で雰囲気もいい学校です。

キャンパスの食堂についてはかなり満足しています。 他の大学での留学体験談などで、食堂のメニューがワンパターンで飽き飽きした、というような話を時々耳にしますが、ペンシルバニア州立大学の食事に飽きたことはありません。 もともと設立当初は農業学校だったせいか、料理のクオリティーは高いです。 メニューもバリエーション豊富で、毎食食堂で食べても全く飽きません。 何か所か食事をとれる場所がありますが、メニューが日替わりのバイキング食堂がおすすめです。 いわゆるアメ食だけでなく、メキシコのタコスやインドカレー、巻き寿司も時々出ます。 それぞれの国の味付けをよく研究してあり、エスニック風味を楽しめます。 手作りのケーキやクッキーも販売しています。とても甘いですが。 他にも、ベーカリーのパンもおいしいですし、食品栄養学部直営のアイスクリーム店のアイスクリームは独特のコクがあって絶品です！このアイスクリームはキャンパス内でしか販売していないので、オープンキャンパスなどで訪れた際に試してみることをお勧めします。 数店、Panda Expressなどのファストフードチェーンも入っているようです。 スターバックスコーヒーもあります。

設備はかなり充実しています。 図書室や自習室には十分な数の机といすが用意してあり、司書の方々も知識豊富で助けになります。 いたるところにデスクトップコンピューターとプリンターが設置してあり、いつでもどこでもちょっと立ち止まって作業をできるようになっています。 また、校舎内はすべてWiFiが通っているので、自分のパソコンやタブレットで作業することも可能です。 スポーツセンターも充実していて、室内プールやジム、バスケットコートやテニスコートを無料で使用できます。テニスラケットなどの道具の貸し出しも行っていて、学生証さえ持っていればいつでも借りることができます。 時々フィットネス教室も開かれます。 学内に病院があり、必要な時は電話かウェブサイトを通して予約をとることができます。冬の初めに無料のインフルエンザ予防接種を受けることもできます。 安全対策も万全です。パトカーが常にパトロールしており、キャンパス内にも数メートルおきに緊急用ボタンが設置してあります。何かあればすぐに警察が駆けつけてきてくれます。 エスコートサービスもあるので、夜中にひとりで歩くのが不安なときなど は電話で頼みましょう。

大小さまざまな種類の教室があります。 一番小さい教室は、日本の学校の教室と大体同じくらいの大きさです。 英語やスピーチなど、教授と生徒のコミュニケーションが必要な授業ははたいていこの大きさの教室で行われます。 小さい教室での授業はたいてい少人数なので、クラスメイトや教授の顔をすぐに覚えられます。 一番大きい教室は日本の学校の講堂くらいあり、教授はマイクを使って授業を行います。授業中に教授とコミュニケーションをとることは稀です。 ただ、質問があればいつでも手を挙げて待っていれば、話の区切りがついたところで教授が当ててくれます。 大きい教室では、いくらマイクがあるとはいえ、後ろの席では声が聞こえにくかったり、黒板やスライドの文字が見えにくかったりするので、できるだけ前のほうに座ることをお勧めします。 成績の良い生徒はたいてい前列に陣取って講義を聴いています。 後ろのほうの席では質問するために手を挙げても気づいてもらえないこともありますし、なんとなく授業への意欲も消極的になりがちです。 使う教室の大きさは、オンラインで授業を選択するときにある程度予想できます。教科の名前の横に表示される制限人数を見れば分かります。 大体20人以下だったら小さい教室、60人以上だったら大きい教室を使うことになるでしょう。

キャンパスは全体的に清潔です。 細かい部分についてはわかりませんが、私が普段使う歩道や建物は管理が行き届いていて特に不満は感じません。 普段多くの人が使用するような場所は特に注意して掃除するようしているのだと思います。 図書館も清潔で、長時間滞在して勉強するのに最適な場所だと思います。 ただ、学校の所有している寮は古いです。 もともとできるだけ予算を削って建てた設備なのでしょうが、全体的に照明も暗めで床やベッドも老朽化しています。 数年前に南京虫が大量発生したらしく、（今はもういないらしいですが）「南京虫注意」の張り紙がいまだに廊下に張り付けてあります。 特に私の寮はトイレとシャワールームが個人部屋設置でなく、同じ階の人全員で共有するために一つの部屋に集めて作ってあるので、夜一人で薄暗くて老朽化した廊下を通ってトイレまで行くのはなかなか怖いです笑 校舎や歩道はきれいです。 定期的に検査を行っているのも見かけますし、景観にも気を使っているようです。温かいうちは、業者の人が毎日来て芝や木の手入れをしています。 カフェや食堂も衛生的です。 総合的に見れば、寮の環境以外はおおむね満足です。