ボン大学

留学中、勉学に疲れたら小旅行に出かけて疲れを癒すというのもいいかもしれません。第二次大戦後、西ドイツの首都になる前は風光明媚な文教都市として知られていただけにボンの周辺には、いくつもの魅力的な観光地が存在しています。例えば、Bad Godesbergですと、フランス軍に破壊された要塞の残骸や、かつてベートヴェンも訪れたというクーアハウスなどが小ぢんまりとした街並みの中に点在しています。また、Bonnとはライン川を挟んだ対岸に位置するBad HonnefやKoenigswinterなどではラインラント・ファルツ州に見られるようなブドウ畑が広がっており、ワイナリーも営業しています。Drachenfelsという、かつて竜が住んでいたという岩からは、こうしたブドウ畑が一面に広がる風景を一望することが出来ます。しかし、私が留学中に必ず一度は訪問して頂きたいと思っていますのが、世界遺産にも登録されたケルン選帝侯の離宮があるBruehlです。Bruehlはボンとケルンの間に位置する、のどかな村なのですが、かつて西ドイツの迎賓館として使用されていたロココ様式の宮殿の華麗な内装は一度訪問したら忘れることが出来ません。宮殿だけでなく、いくつもの噴水や水路、並木が点在する庭園も魅力的で、春夏秋冬、異なる顔を見せてくれることでしょう。

ドイツ料理と言えば、ソーセージをはじめとする豚料理や、ジャガイモ料理を連想される方が多いと思いますが、そのようなものばかりを食していますと、健康に非常に悪いので留学中は、とにかくバランスがとれた食事がとれるよう心がけていました。主に、食材は学生寮近くにあったスーパーマーケットで購入することが多かったのですが、その他にも特に野菜やフルーツなどはマルクト広場で毎日開かれている市場にて、購入していました。なお、食材の中で一番手に入りにくかったのは魚だったのですが、Poppeelsdorfer Schlossの後ろにいったところにある商店街の、ギリシア人が経営していた魚料理店でサーモンの刺身なども購入することが出来ました。ただし、試験勉強やレポートなどで忙しい時期は、調理にかける時間などを節約する為にも、ケバブ屋などで安い中近東風の料理を食べていました。市内にいくつかある中華料理を利用することも稀にありました。なお、純粋な日本料理を食べたいときはデュッセルドルフまで遠出しました。もし、ドイツの伝統料理のお惣菜を食べたいときは、Kaufhofの地下にある食材売り場でSchweinehaxeや鴨のローストといったものを、お手頃な値段で食べることが出来ます。

ボン大学の学生寮は主に二つの種類に分かれています。一つはEinzelwohnungという形式で、普通のアパートメントのように一つの畳12畳ぐらいの居間とトイレ・シャワールーム、台所が全てセットになっている形式です。もう一つは、Wohngemeinshaftといって、各自が自分たちの今を有しているのですが、シャワールームや台所などは共有されている形式です。自分は、自分のトイレや冷蔵庫が欲しかったので、Einzelwohnungを選択したのですが、もしドイツ人の現地学生や、他の国からの留学生たちと積極的にコミュニケーションをとりたいとお考えの方は、少々苦労するかもしれませんが、Wohngemeinschaftを選択するのも一つの手かもしれませんね。なお、洗濯に関しては自分の寮の場合は地下に洗濯機があり、メンザ（大学生協）のカードで洗濯機を使っていました。日本のように洗濯物を外で干すという習慣はドイツではなく、部屋干しするか、もしくは乾燥機にかけるかの二択でした。冬などは、日本以上に乾燥しやすい気候ということもあり、加湿器代わりにもなっていたようにも思えます（あくまで気持ちの上でですが）。なお、掃除機に関しましては学生寮を管理しているハウスマイスターから借りることが出来ましたが、なにせ使い勝手が非常に悪いので新しい購入も検討されるといいかもしれません。

ドイツの学生は、日本の学生と比べて非常に恵まれた環境にあると思います。「万民に高等教育を受ける機会の提供を」という教育スローガンのもとで、殆どの大学が公立であるドイツにおいては、州によって多少の差はありますが、大体は学費がタダか、学生保険に800～1000ユーロほどを支払うくらいしか、大学に通う経費はかかりません。そしてノルトライン・ヴェストファーレン（NRW）州内の学生は、他の州の学生と比べて更に優遇された環境にあるといえます。なぜならば、学生証を見せるだけでDBやトラム・市バスなど州内の公共交通機関に乗ることが出来るからです。NRW州が、ドイツの他の州と比べても大きいということを考えても、非常にお得なサービスであると考えられます。なお、こうした学生の「特権」は公共交通機関がタダになるということに留まらず、ドイツ全土の公立の劇場などでも存在します。例えば、ボンやケルンの州立歌劇場の場合ですと、開演30分前から売り出されるチケットが、席に関わらず学生は全て8ユーロで購入することができました。この制度はNRW州内だけに留まらず、例えばドレスデンでは、有名なゼンパー・オーパー（ドレスデン州立歌劇場）の公演も同じように8ユーロで最前列の席を購入することが出来ました。日本では値段が高い故に中々、足を運ぶことが難しいオペラやクラシックのコンサートでもドイツですと、学生の間でしたら非常に安い値段で堪能することが出来ますので、どうかドイツに留学されましたら是非一度トライしてみてください。

日本での専攻が政治学でしたので、ボン大学でも哲学部（Philosophische Fakultät）に付属する、政治学・社会学科の授業を履修していました。自分が履修したのは、国際関係論の理論に関するVorlesung(講義)とUebung(演習)を一つずつ、そしてユーロ危機に関するSeminarと、「現代の国際関係における様々な挑戦」というタイトルのドイツ国防省のシンクタンクで勤務されていた先生が担当されたSeminar、そして2013年が独仏友好条約（エリゼ条約）から50周年ということで開講された独仏和解に関するSeminarを履修していました。Vorlesungは、授業中にYoutubeを見る学生がいるなど全体的に日本と似たような雰囲気だったのですが、UebungやSeminarとなりますと、議論好きという国民性のドイツ人らしく、白熱した議論が交わされていたのが印象的でした。更に、Uebungなどでは、授業前に配布された資料を基にプレゼンテーションを作るなどグループワークにも取り組むなど、退屈する暇がありませんでした。なお、教材についてですが、Vorlesungは教授が執筆したものを使用したのですが、他の授業では主にメーリスで添付されている論文を読んでくるというのが殆どであり、教科書等を購入する必要はありませんでした。

ボン大学には州立図書館（Landesbiblitohek）というライン川沿いにある、前に芝生が広がっている白い2階建ての、現代建築の図書館があります。図書館に入る際は、ロッカーにリュックサックなど荷物を預けなければならず、持ち込みたいものはプラスチックの籠に入れる必要があります。なお、水筒は持ち込むことは出来ませんが、炭酸水のペットボトルぐらいならば問題はありません。日本の大学図書館と違い、蔵書が云万冊ということはなく、法律関係の書籍か、学術誌を置いているぐらいしか、蔵書らしきものは見当たりません。しかし、試験前の時期になりますと学生で込み合います。何故ならば、24時まで開館しているのに加えて、日本の図書館では見たことが無いくらい、閲覧机が広々としていて、教科書やプリントを広げるには非常に適しているからです。更に、比較的高い割合で電源コンセントなどがついていて、PCを充電でいるというのも試験前に席を見つけるのが難しい一因となっています。しかし、私たち留学生にとって、この図書館の最大の魅力はなんといっても、1階の閲覧室兼自習室の窓が、非常に大きな一枚窓となっていて、ボン近郊の山々などライン川沿いの雄大なパノラマを一望することが出来るというところにあります。こうした風光明媚なパノラマを見ながら勉強するというのは日本では中々経験することが出来ないので、ボン大学留学のいい思い出となります。

日本語学科を含むアジア学部があるので、日本に興味のある学生がたくさんいます。 語学力はさまざまですが、みんな非常に親日的でフレンドリーな人が多いです。 ですが、日本との交流が盛んなため、日本からの留学生も毎年たくさんやってきます。 また、日本語がペラペラな学生も多く在籍しています。 なので、タンデムパートナー(お互いの語学を教え合う仲間)を見つけるなどして、自分から語学を学びに行く、使いに行くことが上達への近道ではないかと思います。 ボンは大学街で、街中にキャンパスや施設が点在しています。 体育館で体育の授業を受けてみたり、オーケストラに参加してみたりと、趣味を活かしてコミュニケーションを取るのもオススメです。 教授も日本人留学生になれている人が多いため、丁寧に接してくれる人が多いです。 大学内の治安はほかの大学に比べればいい方だとは聞きましたが、日本にいる時よりは注意するようにしてください。 大学内での盗難もありますし、寮内でも盗難などはあります。 フレンドリーな人が多く、文学的で穏やかな大学に見えるからこそ、気を抜かず常に注意を払うことを強くオススメします。 ですが、やはり文化的で歴史のある、面白い大学なので、是非お考えの方はチャレンジしてみてください！

日本語学科を中心とするアジア圏に興味のあるドイツ人学生が多い。 その為、非常に親日的でフレンドリーな学生が多い。 だが、日本語が話せる学生も多いため、語学力をあげるためにはタンデムパートナーを見つけて勉強したりするなど、自ら積極的に動いていく必要があると感じた。

大学の交換留学プログラムで１年間ボンに滞在しました。 住まいの手配はすべて大学に任せっきりだったので家の探し方や家賃について詳しくはないですが、各寮の特徴や良し悪しについて参考になればと思います。 属に言う「学生寮」は市内に６つほどあったと思います。 バス・トイレ・キッチンが共有の寮もあれば、完全に一人部屋のアパートタイプにわかれています。私はアパートタイプに住んでいました。 アパートタイプはなんといっても自由なところが一番です。 シェアタイプの寮でよく聞くようなシャワーが埋まっていて待たなくてはいけない…キッチンが汚れてる…といった問題は全くありません。すべて自己責任です。 私のいたPariser Straßeにある寮は古いながらも結構しっかりした造りのようで、周りの人の生活音などは全く気になりませんでした。 一人暮らしと書きましたが、洗濯機だけは共有でした。寮の地下に数台あり、部屋は暗く怖かったです…。一人で行くには毎回勇気が入りました。 マイナスポイントとしては、友達ができにくいということです。 シェアタイプだと一緒に料理したり、ゲームをしたりということがよく合ったようですが、アパートタイプだと入り口ですれ違う際に挨拶をする以外は他の住居者と交流がありません。 また、シェアタイプだとキッチンに食器やお鍋、電子レンジや炊飯器がありましたが、アパートタイプだと当然置いていないので自分で用意しなくてはいけませんでした。 私は流石に食器類は買いましたが、電子レンジと炊飯器は持たずに一年間過ごしました。 個人的にはアパートタイプで静かに暮らしているのが好きだったので、結果的に良かったと思います^^

１年間の交換留学で行きましたが、国際色の強い環境で様々な国の友人が出来ました。 台湾・韓国などのアジア人が多く、続いてアメリカからのグループがいて、ヨーロッパ系の学生は少なかったです。 日本人と台湾人が一番多く、台湾人の友人はかなりたくさん出来ました。 日本人があまり日本語が得意でないせいか、アジア人との会話はお互い慣れないドイツ語でしたのでそれもいい勉強になったのかなと思います。 一方アメリカ人とは一部の人を除いてほとんど英語で会話していました。 私は幸い英語ができたので苦労はしませんでしたが、ドイツ語＞英語の友人もたくさんいたのでとても困ってしまっていました・・・。 ヨーロッパからはフィンランドやチェコから一人づつきていました。彼女らとも仲良くできました。 前述の通り日本人がとても多かったので心細くないという利点もありましたが、グループで固まりすぎて結局日本語しか喋らない、というマイナスポイントもあります。 慣れてきたら積極的に現地の学生や他の国からの学生に話しかけないとドイツ語が全くと言っていいほど上達しません。 周りを見ていても語学がぐんぐん上達している人は現地の学生と仲良くなった人で、せっかく留学しても全然しゃべれてないな、という人は日本人で固まってた人のような印象があります。